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「ほら、口がお留守だよ」
「…うう…ん…」
返事ともつかない声を漏らして、クリスは再びセリオスを口の中に納めた。カリ首を舌で撫で、膨らんだ先端の穴に舌をいれ、あまつさえ、長くのびる部分を唇であまくついばむようにする。セリオスは「うっ」と息を詰めた。背筋がぞくぞくとする。
「うまいよ…クリス…」
「セリオスさんが…教えてくれたのに」
「そうだったな。怖がってたのにな、最初は」
「…うふ」
「さあ、お返しだ」
クリスの中に入る指が一本増える。敏感な突起も、指でなぞられる。あまっさえ、
「あ、そこはっ」
さらにもう一つの別の道まで指先が触れてくる。
「ひんっ、あ、…かはっ」
クリスの腰がもじもじと動く。そしてやがて、手足の力を抜いて、尻を高く突き上げたままセリオスの腹の上に寝そべってしまった。セリオスに触れられた部分が、ひくひくと震えている。
「軽くイっちゃったのかな?」
セリオスはにんまりと笑って、白くまるいクリスの尻にひとつくちづけした。クリスはゆるゆると起き上がって、向き直り、セリオスに頬ずりする。
「こんなの、はじめて」
「嬉しいね、そこまで感じちゃったとは」
「…えへ」
満足そうに句碑痔るを重ねてくるクリスだが、セリオスはその耳に囁いた。
「さて、俺の姫様、もっと気持ち良くなってもらおうかな」
そして、クリスの両腕をおさえ、組みしく。
「にゅ?」
クリスはやおらひっくり返されて、きょとん、としている。
「あとはこうしかないでしょ」
「あ」
脚が開かれて、クリスは、は、と顔を赤くした。
「…なに?」
高ぶりのなごりにぬれて、わずかな光を返すその場所に、セリオスの熱い塊が押し当てられる。
「一つに、なろうか」
「…あ」
言われて、やっとクリスは、羞恥に潤む目をすっと細めた。
「うん…来て…」
そして、ぐっと押し付けられた熱い塊を、慕わしいまでの圧迫感と一緒に、飲み込んでいく。
「あ…は…入っちゃった…」
下腹同士がぴったりと密着してから、細い声がする。
「…凄く大きくなっちゃったから、入らないかも知れないって思ったの…」
クリスが手をのばして、セリオスの首にまわした。
「嬉し…」
「身体はわかってるんだよ…気持ちよく、なりたいんだろ…」
視線を交わしながら、ゆっくりと、セリオスが動き出す。ぬちゅ、と水音がして、
「ああっ」
クリスの背がまた反った。
「あっ、あっ…はああっ」
重なる場所を擦り付けるように、腰を揺らめかせながら、
「すごい…セリオスさん…」
うっとりと呟く。セリオスはクリスの腰骨に手をかけて、奥まで貫く。
「…溶けそうだ…」
事実、クリスの中はとろとろと潤みをたたえ、表に見える肌より熱い。奥まで塞がれるようにされて、クリスは
「ん、んん…はぁ…」
優しい痙攣でそれを締め付ける。セリオスもそれにまけまいと、緩急取り混ぜた抽送でクリスの身をよじらせる程に悩ませる。
「…どう…だ?」
「すごいの…すごくて…気持ちいいの…」
クリスの身体は、支えを失ったように全身の関節が弛んでいる。しかし、出し入れされるセリオスを締め付けてくる力だけは強いままだ。
「じゃあ、もう少し強めに行くかな」
セリオスは、クリスの身体をいとも簡単に回転させ、とろりと潤みを吐き出すそこを再び背後から
「よ…っと」
貫いた。よりしっくりと、お互いが触れあう。クリスは
「はああっ」
と息を引いた。鈍いしびれが、一突きで奥まで届いた事を感じさせる。
「…んくぅ…」
催促されるまでもなく、柔らかい唇が締め付ける。セリオスはその上にのしかかるように突き上げながら、手をまわし、茂みの中の敏感な突起を撫でたり、胸を揉みしだく。クリスは吸い込むような複雑な動きで、腰を振る。セリオスの背中に、予感の電撃が走る。腰を押し込み、ゆるゆるとした回転にしながら、クリスに告げる。
「…もう…行くよ……」
クリスが、喘ぎの中うなずいたように見え、セリオスは数度の激しい突き込みの後、
「く……う……ううっ……!」
身体の奥から熱い滾りを爆発させた。クリスもそれを感じ取ったのだろう、
「ふあっ…あ…」
飲み込むように震え、飲みきれない分を、白くとろりと溢れさせながら、うつ伏せにへたり落ちた。セリオスは、その無防備な部分をそっと拭い浄めて、言葉も出せず息を荒げるクリスの髪を撫でる。
「…可愛かった…クリス…」
クリスは、それに、くるりと寝返りを打ち、セリオスに頬を擦り付けて答える。
「…えへ」

「…あのね、セリオスさん」
呼吸を整えるように、静かに横になる間、クリスがこう言ってきた。
「なんだい?」
「うん…とっても、変なお願いなんだけどね…」
「うん…」
「少し寝たら、もう一回、いい?」
セリオスは、一瞬目をぐるりとさせる。が、すぐに意を得た顔になる。
「…取りかえすつもりか?」
と聞き返すと、クリスはそれは朗らかに
「うん」
と答える。
「なんとまあ、あっけらかんなお姫さまだ」
「えへ」
「いいよ。俺もそう言う気分だし…
 ただし…」
「なに?」
セリオスの笑みは、実に、悪戯小僧と言って差し支えない。しかしクリスには死角だった。
次にどんな言葉が知るのだろう、そぶりはないが待つクリスを、
「今すぐだっ!」
と、身を起こして組みふせた。肩を押さえられて、クリスは真っ青な瞳を瞬かせる。
「え、でも、少し寝ないと…だめなんじゃ…」
とあわあわ言う唇を、
「足りないんだろう? …俺もだったりするんだよ」
唇で塞ぐ。唇と舌を、しばし存分にからめた後、再び離れて見るクリスの瞳は、きゅっと、羞恥と期待に潤んで細くなった。
「…逢えなかった分だけ、しようね」

 抱き締めつつ、唇の雨を振らせる。クリスは荒くなりはじめた息で、セリオスの耳に細く言う。
「好き」
唇を身体にはわせながら、セリオスが答える。
「好きだよ」
そして、今度は余計な手練多管を省略して、勝手知った肝心の場所に指をのばしていく。
なごりの火照りがとまらない所が、再びの愛撫にもう綻び加減になっている。クリスは真っ赤のままで、説得力のない抗議をした。
「あんっ…だめだめ、すぐそっち行ったら…」
「パターンを変えるのも、刺激があって良いんじゃないか?」
いいながら、指の間に、すでに固い敏感な紅玉をはさむ。
「にゃっ…」
クリスの全身から、あらがいの気配が消えてゆく。おき火をかき立てるようにされて、
「あん…ダメ…そんなにすると…」
「すると? どうなるの?」
セリオスのいじわるな問いに、クリスはもう答えるつもりも失せて、自分から脚を開き、腰を指に擦るようにしながら悶える。
「あ…あ…いい…」
首にすがりつこうとする所を、セリオスはふるふると震える乳房に顔を近付け、その先端を指と唇で甘く堪能しながら、指を再び奥まで侵入させる。クリスは、その指までも、いとおしそうに締め付けた。クリスも、手探りでセリオスのものを手に取った。
「もう、大きくなってる…?」
「そりゃあね」
セリオスは、寝台の面にあぐらを書き、おきあがらせてクリスの脚を広げた。
「指なんかより、こっちのほうがいいだろう?」
背中を向けさせ、座らせると、クリスは、
「あうっ」
自重もてつだって、セリオスを根元までたやすくくわえこんだ。くらりと、セリオスに背中を預け、小刻みに息をつく。
「あ…ああ…じんじんする…」
それだけやっと言って、ゆったりとした突き上げに身を委ねてくる。セリオスは、擦りついてくるクリスの頭の、耳をあま噛みしつつ、胸と下の敏感な突起をいとおしむ。
「こういうのは、どうかな」
「いい、すごい…すごいの…」
あられなく喘ぎながら、セリオス触れていない方の乳首を自分でつまみはじめる。敏感な場所を愛撫されるたびに、クリスは身体を緊張させ、セリオスを締め付ける。セリオスには、奥まで貫いていた感触が、クリスには奥を突き上げてくる感触が伝わって来ているのだった。
「奥まであたっているね」
「うん…奥がじんじんしてるの…」
いいながら、その言葉に高められて、クリスは声が高くなりそうになったのか、自分の指を噛んでそれをこらえようとした。しかし、セリオスはそれをさせない。
「だめだよ、もっと声を出して」
その腕をはずし、自分の腕で封じるようにからめて、突き上げる。クリスは前のめりになり、自由な手を寝台の面に付け、手のひらでシーツを握りしめた。
「あ、ああっあ、ひぁぁっ 奥まで…奥まで届いてるのぉ、セリオスさんがぁ」
声が解き放たれた。泣き声のようにも聞こえる甘い喘ぎが、セリオスを奮い立たせる。
「もっと、もっと泣いてごらん……可愛い姫様……」
セリオスも身をもたげ、浮き上がるクリスの身体を押さえるようにして、さらに突き込む。エルフの長い耳たぶに、かかる息が荒い。
「ああっ…セリオスさん、セリオスさんん…」
そういう自分の声にも、えてしてこの娘は煽られるものなのだ。
「俺はここにいるから…顔を見せて…」
差し込まれたままくるりと、セリオスに向き直らせられて、唇を求められるままに与える。
「あむ、んふ」
そして、唇を離すと、甘く柔らかい、そして潤み切った声をあげる。
「んあっああ、あっあはっ、あう…」
その瞳が細く開いた。
「…セリオスさん、きもちいい?」
セリオスも、爆発しそうな塊をかかえて、かつそれに気を取られず、クリスの嬌態の果てを見届けようか、ひとかけらの理性で気極めようとしていた。
「ああ、気持ちいい……クリスの中、気持ちいいよ……」
「私ね…セリオスさんが、奥でこすれて…さっきよりも、感じてるのぉ…」
「そうだ、その調子…もっと感じるんだ…」
セリオスが、寝台に横になる。勢いクリスは馬乗りになる体勢だ。挿入角度がかわって、セリオスの壁に熱い塊が強く擦り付けられる。突き上げられて、腰がおちるたびに、ぬちゅっと水音がする。クリスは背をそらせた。
「はゃっ、あっ…ああっ」
前後に動いて擦り付けるようにすると、セリオスは奥で左右に動く。指は、茂みの中から顔をのぞかせる、痛々しいまでに膨らみ切った紅玉を撫でる。クリスにも、その感覚は伝わっていた。
「あんっ…そう、一緒に、一緒に擦ってっ 感じる所触ってぇっ」
言葉にしたがい、胸の先にも手がのびる。そのとたん、
「ひっ」
クリスの身体が、大きく震え、動きがとまった。
「ひぁ…ああ…あ」
銀色の髪をはらはらと、汗でかみにはりつかせ、涙を潤ませたクリスが、ゆったりと腰を扱うセリオスを見つめる。セリオスは、にや、と笑った。
「…どうした?」
クリスが、震えながら、こらえながら、細く、早口に言う。
「イっちゃう…かも… 抱いて、ぎゅーってして、気持ちいいトコ…全部触って…セリオスさんに抱き締められて…イくから…」
「そうか、じゃあ…」
セリオスは、もう一度、外れないように慎重に、クリスを下に組みしく。それがクリスが一番安心して感じる体勢なのは、誰よりセリオスが一番知っているはずだから。
「行くぞっ」
「ひぁっ」
ぐうっと、奥につきこむと、クリスの背が反る。
「ああん、あん、うあ…ああ…ん」
振り絞るような声がセリオスの脳髄を叩く。クリスは…何より、この声がきれいだ。前後に責めたて、あちこちクリスを撫であげ、彼女のからだのひきつけのような感触を楽しむ。
 そのクリスが、ぴくっとふるえた。
「はあっ、あっ、あ…来る、きちゃうっ」
「イっちゃえっ」
瀬戸際の締め付けに、セリオスも一気に高みに誘われる。
「あ、あ、きて、きて…いっちゃう、いっちゃう!」
クリスが顎を突き上げ、声を細く引きながら、二度三度おおきくふるえる。セリオスも、その直後に、
「…クリス!」
奥深くに、愛おしいまでの思いを解放した。

 「…はぁ」
ぐったりと、もたれ掛かったセリオスを抱き締めて、
「…ふゃあ…」
クリスはしばらく、脚の間にセリオスの腰を挟み込んだまま、言葉を出す事すら忘れていた。が、そのうちため息をつくようにして
「すごかったのぉ…」
と言った。セリオスも疲れた風情で
「俺も…な…」
と返す。クリスがくすくす笑いながら
「セリオスさん、なかでぴくぴくしてるょ」
「それぐらい勘弁してやってくれ、…幸せで疲れてるんだよ…」
「…うふ」
クリスは、セリオスに手をまわし、ぎゅっと、引き寄せるように抱き締めた。

「…やっぱり、帰ってきてよかった」


をはり。
2000929UP

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