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たしかめたくて
登場人物(註:KOC=キングダム・オブ・カオス) ・クリス …KOCでのわたしのキャラクター。(ハーフ)エルフ ・セリオス…KOCでの旦那のキャラクター。魔人(魔族と人間のハーフ) 丸テーブルの向いの椅子に、見慣れた姿はない。ほんの半月前までは、その椅子には、銀色の髪と青い瞳の小柄なエルフが、目をなくなる程に細めて、その日の出来事をそれは楽しそうに話していたと言うのに。 「あのね、セリオスさん」 「それでね、セリオスさん」 「でもね、セリオスさん」 その彼女が笑わなくなり、突然、一切の役職に辞表を叩き付けてきたのが、その半月前のことだった。 国が動いていたのだ、おそらくは、自分の望まない方向に。それからのことは、セリオスには思い出すだに苦しい。彼女は、新しい国に仕官した。 「ごめんね、しばらく頭を冷やしたいの」 と言って、二人で建てた家を飛び出していった。連絡も、ない。 「…クリス、どうしてんのかな」 一人きりの部屋では、呟いても返事は帰らない。 風のたよりには、彼女は向こうの国で、それなりに厚遇されているらしい。城壁加護の魔法に、エルフの高い魔力を必要にされていたのだった。 セリオスは、国王の代替わりに伴う諸々の事務をあれこれ指図しつつ、漠然と物足りない日々を送っていた。同じように部隊やら何やらまかされていたのに、暇がある時は離れようとしなかった姿がないのは、…どうにも寂しい。 帰ってきても、一人で住むには余りにも広い家。つれづれを紛らわすために、昼は泥のようになるまで仕事をし、ただ帰って寝るだけの暮らし。今夜もそうなるはずだった。 眠ってしまおうかと思っていた時、扉が叩かれる。 「誰だ?」 人が訪ねてくるのに、非常識な時間ではない。念を押すような、もう一度ノックの音。しかし、それから先がない。 「誰だよ」 セリオスは中っ腹に呟きつつ、扉を開ける。誰か部下かも知れない、今日はいろいろ揉めたから… 「名乗ってくれよ、気味の悪い…」 しかし、彼の目の前にいるのは、銀色の髪をした、小柄なエルフ。うつむきがちに、扉があけられるのを、じっと待っていた風情だった。 「…クリス!?」 「うん。帰ってきちゃった」 「もう戻って来ちまったんか」 一月はいると言って出ていったはずなのに。セリオスが聞くと、 「うん…古都も悪くないんだけど…」 セリオスを見上げる、クリスの目が細くなる。そして彼女は、手にもっていた荷物をそのまま地面に落とすと、セリオスの胸にしがみついてきた。 「!」 「…なんとなく…物足りなくて…」 細い指が、セリオスの服をぎゅっと握る。セリオスは、クリスの顔をあげさせ、その額に口付けたあと、 「バカ、だったら最初から出ていくなんていうな」 帰ってきた恋人を、これでもかと言う程抱き締めた。 二人が離れていたのはほんの半月。でも、自分の椅子に座ったクリスは、すぐにその風景に馴染んだ。新しい国のことを、いろいろと話してくれる。 「なあ、クリス」 その話が一段落した時、セリオスは聞いてみた。 「もう一度、戻らないか?」 クリスは、その後を受ける。 「…この国に?」 「ああ」 「…」 クリスは、いとも寂しそうに頭を振った。 「戻っても、私きっと馴染めないわ。私、セリオスさんやみんなみたいに強くないもの。 それに、向こうじゃ、こっちにいた経験をかってくれて、少しだけどお仕事ももらえたの。 また戻ったら…」 「そうだろうな」 セノオスは諦め顔に、椅子に背中を預けた。強くないと、クリスは自分をそう言うが、なかなかどうして、きっぱりと元いた国を出られる思い切りのよさを強くないと言えようか。この国でもそれなりに責任ある立場も経験した彼女だ、向こうでも、誠実にその仕事をこなしていけるだろう。 「わかったよ。こっちは俺と仲間で何とかしてみるさ」 「ごめんなさい… あのね、できることがあるなら、言ってね」 クリスが目を細めた。 「仕える国が変わっても、私、セリオスさんの役に立ちたいの」 「ありがとう」 ぎゅう、と、胸がしまる。そういういじましいところが気に入ったんだ。セリオスは、その言葉をしみじみと噛み締めながら、目を細めたクリスの顔を眺めていた。 荷物を片付けた後、クリスは旅の汗を流して、今は軽い寝巻き一枚で、置きっぱなしにしてあった薬草の鉢の手入れをしている。 後ろにセリオスの気配を察したのか、 「セリオスさん、ハーブに水をあげるのを忘れていたでしょ?」 と、少し呆れたような声をあげた。 「葉っぱの色が悪いわ」 「枯れないうちに戻ってくれて嬉しいよ。何せ、鉢植えのことなんて気にもできなかったくらい忙しかったんだから、こっちは」 「もう」 クリスは角口をして向き直る。 「やっぱりもどってきて正解だった。ちゃんと、ごはんたべてた?」 「食べてたよ。生きていられる程度にはね」 「なら…いいけど」 立っているクリスは、小柄な上に、エルフには良くある細い体の線が、くったりとした布地の寝巻きのおかげで際立って見える。そして程よいバランスの胸が、あらまほしいふくらみ加減でその布地を持ち上げている。セリオスの視線は、彼女の寝巻きの広い襟刳りから見える谷間らしき影から離れなかった。 「…なに、見てるの?」 それに気がついたのか、クリスは胸のあたりをさっと手で庇う。 「いや別に」 セリオスはそう言ったが、直後、クリスの体はふわっと宙に浮いた。 「きゃ」 高い声をあげかけて気がつけば、クリスは背中と膝の下に手をまわされて、いわゆる「お姫さまだっこ」にされている。二人の顔がまぢかになる。 「ど…どしたの?」 ほんのりと顔を朱に染めて、クリスの青い瞳が尋ねる。セリオスはそれに目を細めて、 「奥に行こう」 と耳打ちした。 とはいえ、奥の寝室に入るのももどかしいように、その攻防は熱く繰り広げられる。 戸口で立ち止まり、セリオスは抵抗するにできない体勢のクリスの唇に吸い付く。 「んむ…」 その唇の感触をひとしきり楽しんだ後、セリオスは悪戯でもする子供のようないい口で、 「離れてた分、とっくりと返して貰うよ」 といいながら、エルフの長い耳たぶをあまがみしてゆく。 「ふぁ」 クリスは粟粒立つような感覚から逃れようと、身じろぎし、セリオスの首にすがりつくようにする。思わず、バランスが崩れかれた。セリオスは、一度揺すって、クリスを抱え直す。 「余り、暴れるなよ」 といいながら、手の片方はしっかりと、クリスの胸の片方に食い込んでいる。そんなものだからクリスも、みじろぎをやめない。 「いやいや、くすぐったいってば。 セリオスさん、なんか変よ」 クリスの言う事にも一理ある。セリオスがこんないたずらがましい手段に訴えた事等、少なくとも彼女の記憶にある限り、ないのだから。セリオスは、気が先にはやまったような顔を装うふうに肩を竦めた。 「気にするなって」 そして、片足で、寝室に向って隙間をのぞかせるドアを器用に開けた。簡単に整えられているベッドの上に、クリスを寝かせるように下ろし、覆いかぶさるようにして、もう一度唇の感触を堪能する。クリスは、セリオスの首から腕をほどかないまま、それをうけた。 「ふむ…」 鼻から息を抜きながら、唇の力を緩める。セリオスの唇は、そのまましっとりと首筋や顎にはう。 「変わらないな、甘いのは。たった半月なのにな…無性に、懐かしいや」 クリスが、現実に引き戻されたようにほほから赤みを消す。 「…出ていった事、怒ってる?」 「なんで、そうじゃないよ」 こたえながら、セリオスは、鎖骨を唇でなぞる。クリスはそれに、「ひゃ」と反応しながらも 「でもでも」 と納得できない風情だ。一度顔をあげる。 「国の出来事に巻き込まれたのなら、怒っても詮無いよ。 …こっちがお礼を言いたいくらいだ…」 そして、耳たぶに吹き掛けるように言い、 「戻ってくれて、ありがとう」 また唇を重ねる。クリスは、それになんの返答もなく、唇の間から舌をのぞかせ、セリオスの舌に遊ばれるままになる。 「ん」 「どんなになっても、クリスはクリスだよ、愛してる…」 「…もう」 臆面のない言葉だが、クリスもまんざらでもなく、眉だけが困ったような笑顔になる。それを惚れ惚れと見つめながら、セリオスの手がいよいよ、妖しい動きをはじめた。すべすべの寝間着の上から、胸の当たりをそっと触れる。クリスはぴく、と震えて、目尻を赤く染めた。 「ひゃんっ」 「感度いいね…変わってなくて、嬉しいよ」 そういう言葉に煽られてゆくのか、クリスは顔をやや横向きか加減にして、声のあがってしまう口を手で覆うようにする。 「ふう、んん…ふゃあ…」 声の具合を加減するように、セリオスは、乳房で遊びながら、また囁きつつ耳たぶを噛む。 「いい声だよ」 すると、またクリスは我にかえったように、 「ふにゃ…はづかしい…」 顔を覆ってしまう。 「だってだって」 何か言い返したい風情だが、そんな抵抗など全く説得力がない。げんに、セリオスの手の中では、くたくたの布地の上から、胸の先端がはっきりとせり上がってきているのだから。 「だって?」 聞く振りをしつつ、それを摘まみ上げる。クリスは 「ふにゃっ」 と一声あげてから、笑ってさえいるセリオスの顔を見て、 「セリオスさんがこういうことするからでしょっ」 彼の肩だの胸だのをぺしぺし叩く。しかし力のない攻撃にセリオスは笑みを浮かべたまま平然と、 「そう言う口答えをするのは、この口だな?」 と、塞ぎ、塞ぎながら寝間着を上にずりあげてゆく。 「ん…」 クリスは観念したように、唇を任せながら、とろりと身体の力を抜く。 「そろそろ、肌を見せてよ」 「…ん」 今度のクリスの身じろぎは、自分の周りから邪魔な服がとれてゆくのを助けるようにものだった。柔らかく薄い寝間着の下は、絹をはったような白い肌。ほんのりと赤く上気して、胸の突起がしっかりと自己主張する。視線が潤み、物欲しげに見上げる。 「どうしたの?」 「…」 セリオスの問いに、すぐには反応しないのも、かわいらしくさえ感じられる。 「…どうしてほしいの?」 質問をより答えにくい方に持っていく。クリスは言葉なく、セリオスの片手をとり、鼓動で突起が震える胸に当て、上目遣いに見る。あまりちゃんとした返答を求めるのも酷だし、何よりこれ以上は興がさめるというものだ。 「…よくできました」 ほめながら、クリスの上に重なる。指と唇で、その突起を撫でる。 「ふゃっ、あ…きゅぅ…」 クリスの身体は、それを待っていたように反応し、くうっと胸をそらした。 「やっぱりだ。ますますいい声になる」 空いた手で唇をなぞる。 「…あ…ふゅ」 もみしだかれ、敏感な突起を唇に含まれて、クリスは反射のように、唇に当てられた指を、舌をあて、ゆっくりとくわえる。唇の中で、指先に複雑な感触があり、引き抜こうと言う動作にあわせて、物足りなさそうに、顎を出す。 「…おやおや…そんな事頼んでないぞ」 つい言うと、クリスはきゅっと目を細めて、セリオスの首にもう一度手をまわす。彼女の脚の方には既に手が伸びていて、最後の一枚になった下着の上から、指が不思議にうごめいていた。布地の下には、本来あるはずの肌の感触があるようなないような… 「だって、私…ひさしぶりなんだもん」 セリオスは、納得した顔をした。 「それは、俺もだ」 ほほやら顎やらに口づけし、額の生え際を撫でながら、セリオスの手はためらわず、下着の中にはいっていく。さわさわと茂みの感触。クリスが、 「ん…ふぅ…」 ため息をつくように、浅い喘ぎをはじめる。いよいよ高ぶり、熱くなったからだから、えも言われない香りが立つ。力の抜けた脚に、閉じられないように自分の脚をからめて、セリオスの指は茂みの奥に指をしずめた。指の背で、指先に当たる突起を撫でる。クリスの背が一瞬反った。 「ひっ」 決していやがる声ではない。クリスの顔はみるみる紅潮し、セリオスの首を抱える手をぎゅっと握る。 「ほらみつけた…ここだよな…クリスが好きなのは」 返答を待つ間も、セリオスの指は敏感な突起を摩るのをやめない。熱い中、固く自己主張するそれを撫で上げると、クリスの絶妙の嬌声があがる。 片手でクリスの下着を取り去ると、銀色の茂みにわずかに隠されて、ふっくりと赤く熱くなった秘密の場所があらわれる。頭をのぞかせる敏感な紅玉を擦りながら、奥に指を臨ませると、そこは溢れそうな程に潤んでいる。 「……綺麗だよ、クリス。全てが」 クリスは指の侵入にあわせて、くぅ、と身体を緊張させた。セリオスの身体を手で撫で、その股間で熱くなるものに触れる。 「!」 「…ここも…」 消えるような声で言い、目を細める。握りしめ、上下されると、セリオスもついため息をもらしてしまう。 「…そりゃ…反応もするよ…」 そしてセリオスは、ひたひたとクリスのほほをつつく。 「ほらクリス」 頭にまたがらせる。 「こんなの、はずかしいよぉ」 クリスは渋々、という体だ。しかし、セリオスに、かの秘密の場所に口付けられると、 「きゅっ」 と声をあげる。 「ふゃ、あっ…あは、は…んん〜」 「説得力ないね…こんなに熱くして…ほら、君も」 促されて、クリスも、目の前で屹立するセリオスの、先端の部分を含む。セリオスはクリスの敏感な紅玉を含みながら、奥に差し入れた指を動かす。クリスが、口を離す。 「…あん…ふにゃ…」 愛撫に翻弄されて、腰をうごめかせさえする。セリオは手をとめた。 |