戻る
月なき闇に星とける夜

シレジアに招かれ既に1ヶ月が経過していた。
セイレーン城の一角にある客室。そこに俺と先のアグストリアとオーガヒルの海賊との戦いの最中で婚礼の儀を果たしたアイラがいる。
先の戦いから、今まで俺達はずっと闘い詰めでこう二人でゆっくり過ごすこともできなかった。
「アイラ」
「なんだ?ホリン」
「外に出ないか?」
我ながら間抜けなセリフだが、もう彼女に対して飾る必要はない。もう少し気の利いたセリフを考えれば良かったのだろうが、それ以外に何も思い浮かばなかった、というのが本当のところだ。
「ああ」
その言葉を聞くや否や俺達は城下町へくり出した。
 
風の聖戦士セティが興した国、シレジア。今までいたアグストリア王国よりもやはり活気がある。統治者でもあるラーナ妃は争いを嫌う人物で、レプトール卿の謀略によって反逆者にされたシグルド公子を招き入れ、今ではグランベルに使者を送ってくれている。そんなラーナ妃の心が反映されているのだろうか。多分、このユグドラル大陸において最も治安の良い国だろう。
「で、何処に行くんだ?」
アイラが口を開く。それ以上のことは何も考えていなかった俺は、取り敢えず、古巣である闘技場へ向かうと答えた。彼女もまた、それを認めてくれた。
「実は、何も考えていなかったろう?」
「・・・まぁな」
「お前らしいな」
俺は苦笑するが、そう言うアイラも微笑んでいる。戦場では戦神もかくやと思わせる彼女の無防備な笑み。そんな彼女がものすごく愛おしく感じたのも気のせいではないだろう。
その後、俺達は軽く昼食を取り、城の外へ散策に出かけた。
城を出た頃から、白い粉雪が降り始めるが、俺達はセイレーン城の南にある、海岸へ向かう。
目的はないが、ただ一緒に歩いているだけでもいい。それだけでも充実感がある。そんな今が、嬉しい。
「そういえば、ホリン」
「なんだ?」
「お前はどうして、シグルド公子と共に闘うことを選んだ?」
「でかい、と思ったからさ」
歩いている途中でアイラが口に出した疑問はあの時、シグルド公子と剣を交え、彼の信念に俺が認めていた真の強さがあったことを告げていた。
俺には今、大切なものがいて心からそれを守り通したい。そう思っている。
守りたいと思うものの対象こそ違えど、俺はシグルド公子に近づけたような気がする。自分が思い浮かべる真の強さを持つと言う意味で。
「アイラが闘う理由は・・・そうか。シャナンの」
「ああ」
しかし、最近は他にも思うところがあるのだろう。それが何なのか知りたいとは思わない。
かつて噂に聞いたマナナン王は義に厚く、礼節を重んじた名君と聞いている。その気質を受け継いだのだろう。多分、シグルド公子に借りを返すつもりでいる、多分ではあるが。
 
そんな事を話している内に、寒空ながらも海岸に着いた。雪は、まだシトシトと降り続けている。俺達は砂浜に座り込むと、再び話を始めた。
「・・・ホリン」
「ん?」
「私は今まで、剣に生きてきた。娘らしいことも知らず、シャナンを守るために」
「それがどうかしたのか?」
彼女の言いたい事はわからなくもない、そんな自分を娶って後悔していないのかということだろう。
「そんなアイラだから惚れたんだろうけどな」
少し照れくさかったが俺がそう言葉を続けると、アイラの方から俺に寄り添い、呟いた。
「・・・ありがとう」
「俺とお前は夫婦だろう?」
「うん・・・」
そんなやりとりの中に今まで感じた事のない温もりがある。
「暖かいな」
「ああ」
しばらくそうした後、俺達はセイレーン城へと戻った。雪は彼女から消えた迷いを示すかのように止んでいた。
 
城に戻った俺とアイラは割り当てられていた客室へ戻った。
今日は無言のまま夕食を食べ、それ以上何も語らぬまま、闇が空を支配していく。曇っているため、月明かりもない。
だが、それだけで十分、共にいるだけでそれ以上は求める必要がないと思っていた。少なくとも俺はそれでいいと思っていた。そして、他の仲間達が寝静まった頃、アイラは口を開いた。
「ホリン・・・」
「ん・・・?」
頬がかすかに紅潮している。俺はこれ以上は言われずに気付いた。だが、敢えて何も言わない。
「・・・伽を、しよう」
そう言う彼女の顔はさっきより紅潮している。今までそんなこと考えもしなかった生活を送ってきた彼女はものすごく恥ずかしいのだろう。俺は何も言わず、彼女を抱き寄せ、優しく唇を塞ぐと、そのまま抱き上げ、寝台へと向かった。
 
俺は彼女を寝台に横たわらせ、上着を脱いだ。そして、彼女の衣服を一枚一枚、脱がしていく。
「・・・」
羞恥で言葉がでないのか、彼女は何も言わない。俺はなにも言わず、彼女の衣服を全て、脱がせた。
いつからか、曇り空は晴れ、星明かりと月明かりが窓から差し込み、固まったままの彼女の裸身を照らす。
「アイラ・・・」
しばらく俺はその彼女の裸身を見つめたままだった。今まで何人も女を抱いてきたが、彼女のように、幻想的で美しい女は居なかった。だが、目の前の彼女は決して幻想ではない、現実だ。
「ん・・・」
俺はそんな彼女ともう一度、唇を重ねた。そして、片手で彼女の胸を揉みながら唇を離し舌先を彼女の首筋、胸、下腹部と這わせていく。
「あっ・・・」
彼女の口から小さな喘ぎ声が漏れる。俺は、彼女の足を開かせ、そのまま更に下へと舌を這わせる。
「・・・あっ・・・そこ・・・は・・・・・・あっ!」
そこはもう、湿っている。
俺は彼女の乳房の先端をいじりながら揉みしだく事を続けつつ、彼女の秘部に舌を這わせることを止めない。
「・・・やっ・・・そこっ・・・汚な・・ひあっ!」
俺は意地悪にそこを舌でつつく。
「・・・意地・・・悪・・・っ!」
そうかもしれない、大人気ないとは思う。だが、それでも俺は彼女の股間に顔を埋める。そして、更に彼女の奥へ舌を進めようとするが、彼女の身体の締め付けが、それを許さない。
「アイラ、もっと力抜いて・・・」
「・・・無理・・・あっ!」
俺は彼女の身体から舌を引き抜くと、チュポンと言う音がする。彼女は両手で顔を覆う。その仕草が可愛い。そうしている間にも彼女の胸を愛撫しつづけている。十分な質量を持ったそれは俺の手の中で自由自在に形を変える。
「ん・・・あぁっ・・・」
彼女の胸の先端を親指と人差し指でつまみ、しごく。それは既にかたく尖っている。
「・・・んっ・・・気持ちいい・・・あぁ」
コリコリと弄び、ギュッと押しつける。だが、それは再び起きあがる。
「やだ・・・遊ばないで・・・・」
口数が多くなってきたので俺は再び舌で、彼女の秘部を責め始める。次は彼女の肉芽を主に舐め上げる。
「ふぁっ・・・」
俺は彼女のその可愛い声が聞きたくて、何度も舐め上げる。
「あっ・・・やっ・・・ふぁっ」
今まで胸を弄んでいた手を彼女の秘部へ近づける。そして、指を一本彼女の中へと沈めていく。
「・・・あぁっ」
入口が狭く、なかなか入らない。中をこねくり回しながら少しずつ侵入していく。
「あぁ・・・んっ・・・んんっ!」
彼女が少し苦しそうな声を上げ、不安になる。
「・・・痛いか?」
「少しだけ・・・続けて・・・」
まだ、不安が残っていたが、彼女の想いを尊重し、続ける。俺はそれ以上侵入するのを止め、指を軽く前後に動かす。
くちゅっ、くちゅっ・・・
「んっ・・・あっ、あぁっ」
その間にも、俺は彼女の肉芽を舐め上げながら指を動かす。俺の唾液と彼女の雫が指の動きを円滑にしていく。
「んぁっ・・・はっ・・・ふぁっ」
彼女の息が荒くなり、形の良い汗ばんだ胸が上下に揺れる。俺は舌と指の速度を上げた。
「あぁ・・・んぅっ・・・」
・・・ちゅっ・・・くちゅっ
淫靡な音と共に彼女の官能が高まっていくのがわかる。
俺は、一層指の速度を速め、彼女の肉芽を強く吸い上げた。
「ふぁっ・・・あぁぁぁぁ!」
彼女の身体がビクビクと痙攣し、秘部から多量の雫が流れ落ちた。そして、俺はぐったりとした彼女に覆い被さる。無論、全て服は脱いだ。
 
彼女の両手が俺の背中に回される。彼女の身体は強張っているため、胸や腰を愛撫し、緊張を解きほぐす。
「あっ、んっ・・・」
彼女が可愛い喘ぎ声を上げ、強張った身体が脱力する。俺はその隙に一気に彼女の中に入っていった。
「・・・あぁぁっ!」
彼女の手に力が入り、俺の背中を掻きむしり、傷を作る。だが、この程度の痛みは彼女の痛みに比べれば軽いものだ。
俺は背中の痛みに耐え、彼女の中へ進んでいく。破瓜の血が流れ、寝台の毛布に赤いシミを作った。
「んっ・・・」
そして、完全に俺が彼女の中に入ったとき、俺と彼女は再び唇を重ねた。今までの接吻(くちづけ)と違い、互いに相手を貪るように。
「・・・貴男を、感じる」
「・・・ああ」
そう言った彼女は涙ぐみながら無垢な童女の様な微笑みを浮かべている。俺はそんな彼女にたまらなく愛おしさを感じる。俺もまた、知らぬうちに微笑を浮かべていた。
「動くぞ・・・」
「・・・うん」
彼女が小さく頷いたのを確認すると、俺はゆっくり腰を前後に動かし始める。その度に、彼女は喘ぎ声を上げる。
根元まで押し込み、引き抜く直前まで戻す。俺は彼女に激しく打ち付けたい衝動を抑え、続ける。
出し入れする度、押し出された雫が滴り落ちる。
「あっ、あっ」
俺は徐々に腰の動きを早めていく。それにつられ彼女の喘ぎ声の間隔も短くなっていく。
くちゅ、くちゅという音とぱんぱんという肉と肉のぶつかる音が部屋に響く。目の前で、彼女の胸が上下している。その光景が俺の快感を増す。
「んぁっ、はぁっ、あっ」
俺は、上下に揺れる彼女の胸の先端を口で捕らえ、もう片方の胸を掴み、揉みしだく。
「あっ・・・そこっ・・・」
俺は彼女の胸の先端を吸いながらも、手も腰も休めない。彼女を全身で責め続ける。体ごと彼女を押し上げ、また戻す。乳房が俺の胸に潰され、ひしゃげる。
「はっ、はっ、はっ、はっ」
俺は、もう自分の中の衝動を抑えることが出来なかった。彼女に自分を激しく打ち付け、引き戻す。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
俺の中で欲望がこみ上げてくる。俺は彼女の両足を大きく開き、更に彼女の奥に突き進む。
「いやぁ・・・あっ、奥に、あたって、あっ!」
俺の先端が彼女の壁に当たる度、彼女の顔が歪む。俺は体を彼女の奥まで沈め、先端を彼女の壁にぐりぐりと押しつけ、再び、動きを再開した。
「はぁっ、やぁっ・・・はぁっ、あんっ!」
そして、限界が訪れる。俺は奥まで彼女の中まで入り込む。
「あっ、あぁっ」
俺と彼女が一緒になっている部分から水しぶきが跳ね、二人の腹を濡らす。
「あああああぁぁぁっ!」
俺の欲望が彼女の中に入って行く。二度、三度と奔流となり彼女の中に流れ込む。
「あぁっ・・・はぁっ、はぁっ」
彼女は苦しそうに胸を上下させていたが、完全に体は弛緩しきっていた。そして、彼女の中に欲望を出しきった俺は、彼女に完全に覆い被さった。
彼女は俺を離さぬように、両手で俺を抱きしめる。
「ホリン・・・ありがとう」
そう言うと、今度は彼女の方から唇を重ね、互いに微笑んだ。
ただ、その様を星と月の光が祝福するかのようにずっと俺達を照らしていた。

<コメント(メールより転載いたしました。)>
ついに完成しました。
これのお陰で、ずいぶん自己嫌悪してしまっているわけですが
カキコの通り、そんな自分にサヨナラできそうです。

@注意点
かなり脚色入ってます。
ホリンはイザークの家系ですが、アイラとくっついても大丈夫なようにあくまで、傍流。
この話だと、聖痕は現れないようになってます。
(略)
最後に・・・この作品にはタイトルを作っていません。
このような作品(FE物の上、18禁どっちも初めてなんです)を書くのは初めてなので、タイトルの命名お願いします。

<コメント返し>
いい、これいいですよ! 自己嫌悪なんてする必要ないですよ!
ホリンの一人称で始まると言うことは、彼の視点から見るアイラとその感情について感情
移入ができるのです。ホリンになったつもりで読んでみると、その愛しさがにじみ出る様です。
えてして、こういうのって妄想の突っ走るままに書かれているものが多いのですが、これには「いたわり」が感じられます。好きです。
タイトルの件は私で良ければあんなふうにつけましたが…いかがでせう。


戻る