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真夜中にご奉仕
この創作はフィクションです。実在の人物、団体名などとは関係がありません。 「そこでだ、ララーナ」 ラーグ伯は執務室の机に肘をついて、その向こう側にたっているララーナをみた。 「君に頼むのが、適当だと思うのだよ」 「…はい」 ララーナは瞳をくるりと光らせて、従順そうに伯の次の言葉を待っている。 「我がラーグ家とドレン家の婚姻が行われるというのは、国の歴史にも残ることであろう」 「はい」 「おまえは詳しくは知らなかろうが、長い係争の時代に国王おんみずからが取りなしをくださり、息子アシュリーが先方の娘をめとることに決まった。 しかしだ」 「はい」 「この婚姻こそ、あたらしい両家の競合の幕開けであると、私は考えている。 これはおまえも知っての通り、アシュリーはうまれてよりの十数年、浮いた噂一つもなく、女に乗るより馬に乗る方がまだまだ楽しいと見える。 それをそのままにして、ドレン家の娘に、結婚の夜にアシュリーが閨での作法も知らぬ男よと侮られるようなことがあれば、以後ずっと、アシュリーははかの娘の尻に敷かれ、ひいてはラーグの名を落とすことにもなりかねん」 「…はい」 ララーナは話を聞きながら、めんどくさいな、と思う。それが自分とどういう関係があるのか、彼女にはわからない。それよりも、おそらくまだ必要と感じない結婚をさせられようとしているラーグ伯の子息アシュリーに、同情さえ感じていた。それは、今の彼女の感情と、無関係ではないだろう。 「ララーナ、お前はアシュリーの世話もしているだろう」 「はい」 改まれて、ララーナが伯爵の言葉を聞く。 「アシュリーに、女を教えてはくれまいか」 「は?」 ついはっきりきいてしまって、ララーナの思考がとまる。 「あ、アシュリー様にですか?」 「そうだ。私に教えてもらっても困る。 なに、簡単なことだ、今夜にでも行ってもらって、因果を含めて一通りの作法を実演してくれればそれでいい」 「実演、て」 ララーナは、相手が伯爵であることも忘れて、ついつぶやいていた。 「私では、お役に立てるかとうか」 とにかく、一メイドが預かるには、少し責任の重大な仕事であるとも思われた。一度は断ろうと思い、口を開く。 「役に立つがどうかは、私がすでに下調べをして把握している。気だてと容貌、そして経験のほどからして、おまえが適任と判断した」 「…はあ」 「ララーナ、これは主人からの命令である。 息子アシュリーに、情事の手ほどきをせよ」 最後には結局命令になってしまうのだから、伯爵というものは便利な職業である。 それにしても気だてと容貌と経験のほどとは…伯爵も人が悪い。 体を許すまでの仲だった男友達と別れて間もないララーナ、いかにも落胆した風の彼女と話をし、また相応の相手にも出会えようさと励ましてくれたのがアシュリー、それ以来ララーナの興味がこの主筋の若者にあることを、見透かされてもしたのだろうか。 そんな彼女の気持ちも、今夜のことも、全く知らず、アシュリーは夕方、遠乗りから帰ってくる。 「ただいまララーナ」 出迎えたララーナに、汗になった服を渡す。太陽と草と、汗の匂い。見ればアシュリーは、健康的に焼けた肌に光らせる汗を取るものを探していた。 「あ、あの…汗をお取りします」 言って、ララーナが布を押し当てる。伯爵からあのような指示を聞かされて、そのときララーナは、改めて、アシュリーの普段気にしてこなかった部分を意識する。 「ああ、ありがとう」 アシュリーの返答はそっけない。しかし、程よくついた筋肉が、青年の肩と胸をじつに形良くしていることに、今更にララーナは気がつかされる。 『この方を…』 そう思って、背筋に震えが入った。体が紅潮して、愛撫されたような興奮が走るのを、ララーナはとめられない。メイド服のエプロンの上から、立ち上がった乳首が見えはしないか、そんなことを思った。前の男に遊ばれて捨てられたのに、体は覚えた快楽をいつまでも忘れない。 「どうしたララーナ、手が止まってる」 「は、はい」 その夜。 ララーナはメイド服のまま、アシュリーの部屋の前に立っていた。別のものに着替えようと思ったが、その格好で館の中を歩くほうがためらわれて、結局そのままだった。 中に入り、寝台のアシュリーを見れば、彼は自分の思惑などどこ吹く風で、一日遠乗りの疲れを癒すべく、ぐっすりと眠り込んでいる。 「アシュリー様」 自分は果報者なんだと、ララーナはそう思って、いっさいのためらいを忘れることにした。伯爵の命令なんて、あとからついてきたんだ。そういうことにして。 「…アシュリー様」 低く声をかけると、アシュリーは「ん」と目を開く 「ああ、ララーナ…何かあったのか」 「いえ、特には」 ララーナはそう言った。脚が震えてくるのは、緊張だけではない。 「とくにはというか…これから…」 「なに?」 アシュリーが、つぶやく様な彼女の言葉を聞きなおす間もなく、寝台に飛ぶようにのりあがったララーナは、アシュリーの肩に腕を絡め、唇を絡めた。 「!」 「お声をあげずにいてくださいまし。私が…すべて、致します」 ララーナは、アシュリーにはわからない感情に、瞳をうるうると光らせて、彼のパジャマのボタンを、一つ一つあけてゆく。 「ら、ララーナ、何するんだ」 「アシュリー様、私には何もお尋ねにならずにいてくださいまし。決心がゆがんでしまいますから…」 ララーナも、メイド服からエプロンをとり、ブラウスの胸元を少しゆるめる。情を催させようというのではなく、動きの便をはかるために。 そうしてから、ララーナは、薄く紅を引いて夜目にもほんのりと赤い唇を、アシュリーの胸にはわせた。 「うわ」 アシュリーは、その感触に上ずった声をあげる。一体何が始まったのか、声に出して問いたくても、一体これを誰にどう説明しようか。 「動かれずに…おとなしく」 ララーナの唇は、目で見ていたより柔らかい。その唇が胸元に上がるのを 「うぅ」 顎を上げて受けながら、彼女の指がさわりと、胸の辺りを動く。ララーナとて、男を愛撫するなど、初めてのことだ。どんな行動が男にとってツボにあたるのか、そんなことも考えたこともない。破綻した前の男は、こちらに愛撫を与えることはあっても、彼女にしたようなことを自分も求めることなど無かったのだ。 だから、彼女が、アシュリーの、全く実用的でない乳首をこすった途端の 「あうっ」 ひときわ慌てたような声に、彼女は目を丸くした。 「あ…」 その指の腹を押しのけるように、彼の乳首が堅くなる。ララーナは単純に、 「男の方もこんなことに…」 と、驚くより無かった。その、興味津々に見上げる視線が、アシュリーの視線と会う。ララーナは怪訝さと羞恥に光の揺らぐアシュリーの瞳に笑んで返し、 「なにも、怖いことはございませんわ」 と言った。 アシュリーの、堅くなった乳首に舌を当てて、そして軽く吸う。彼の体はびくん、と震えて、まるで少女のような初々しさすら感じる。ララーナは段々、この青年を攻略することが、楽しくなってさえ来た。アシュリーを愛撫しながら、同じように自分が乳首をとがらせていることが、はしたないほどにおかしい。 胸に愛撫を加えながら、布団の中に手を差し伸べ、脚の間をさわりとなでる。程なくその存在感はとらえられた。 「あ…」 素直に、自分を捨てた男より上等そうに思えた。これが言葉になる。 「すてきですわ、アシュリー様」 服の上から、やんわりと包んでもみ込む。硬い芯のようなものが一本入って、窮屈そうにおさまっている。 「あ、ら、ララーナ」 アシュリーの声が上ずる。 「そんなことをしたら…おさまりが、つかない…」 「はい、ご心配することはありませんわ」 ララーナは、アシュリーのわなわなとする唇に口付けてから、布団をのけ、パシャマの下のそれをあらわにする。なんの支えも必要とせずに、それは鼓動に震えながら天を示す。ララーナの奥の方が、きゅん、と震えた。 最後にこの手のものを受け入れたのは、何週間前だっただろう。コレで、指や道具では届かない奥をこすられたら、どんな気持ちがするだろう。服の中の素肌がすうっと汗ばんで、昔の記憶が怪しくなってくるほど、ララーナは目の前のものに捕らわれる。成り行きのまま、広げられた足の間にうずくまり、手で触れる。柔らかい皮の奥に、かっちりと芯が通る。皮から顔をのぞかせたその芯の部分は先でより太さを増し、てらりと偉そうに鈍いかがやきを放った。 「な、なにするんだ」 アシュリーが身をよじり、それを避けようとする余裕もあらばこそ。 「うあっ」 ララーナの赤い唇は、顔を出す亀頭部分をゆっくりとくわえ込んでゆく。 「くぅ…」 アシュリーの腰がつと浮き上がりかける。ララーナは、昔の男が釈然としないままにたたき込んできた男への愛撫を、うっとりと、喜びに目じりを染めて還元しようとしていた。 一度、根元まで口に含む。それだけでアシュリーは 「…ふ」 腰を震わせた。ララーナはそれから、半分ほど戻し、根元とその下の袋をやわやわと握る。アシュリーの体が、また震えた。 「アシュリーさま…よろこんでいらっしゃる…」 言葉にはしないが、ララーナは、アシュリーの手がシーツを握っているのを、ぼんやりと眺めながら、唇での愛撫を続けている。唇を完全に放して、先端を舌でくるくると撫で、幹を上下にしごく。かと思えば、また口に含み、唇越しに前歯を立て、甘く噛むような刺激を与える。亀頭の中心の切れ込みに舌をねじ込む。 「くぅ…」 アシュリーの眉根がよる。腰が何度も浮き上がりそうになるが、下半身にはララーナの体があり、思うように動かない、それがもどかしいようでもあった。 「いかがですか?」 聞いてみた。しかし、アシュリーの返答はない。尋ねられたことさえわからないように、彼にとっては怒濤のような初めての愛撫に、目の視点も会わない有り様だ。しかしそれが言葉より雄弁だ。ララーナは、安堵したように、愛撫を再開した。 亀頭から幹に変わるくびれた部分には、ざらざらとした突起が点在する。それを、舌の先で、ぐるりと一周撫でる。指の腹で亀頭を押すと、芯のようなものが、幹から上に上がってゆくのが良くわかった。 「こんなに硬くなさって…」 ララーナの奥のうずきも、ますます深くなってくる。熱いうずきを、じわりと下着の中に感じ、そっと横から差し入れれば、我ながらはしたないまでに潤んでいた。その潤みの中で、アシュリーのモノのように硬くなり、愛撫してくれるものを待つ敏感な突起があり、また潤みを奥から吐き出すひだはすっかりと緩みほころんで、すぐにも、アシュリーを受け入れられそうだった。 「でも、もうすこし…」 指でそれをおちつかせながら、ララーナは再びアシュリーを奥まで含む。舌と口蓋でそれを挟み込み、歯を立てないように出し入れする。その鼻息が荒くなるのは、自分への愛撫も始まったからだが、そんなことアシュリーが気がつくはずもない。ラストスパートとも言うべき圧迫された感覚が、いやがうえにも高みに追い込んでゆく。 「うう、…う…うああっ」 ララーナの口の中では、かすかな塩気が感じられる。ララーナは、アシュリーが終わりに使いことを感じた。 「アシュリー様…私の口の中で…」 舌で触れると、亀頭まで硬い。先から流れる塩辛い粘液をこそげるようにしながら、ララーナは握る根元に力を入れた。視線を挙げると、アシュリーと目が合う。 「ララーナ…俺…」 「はい、わかっております」 それだけ答えて、裏側の筋を唇でついばむ。 「うっ」 そしてまた口に修め、亀頭を吸う。 「うわあっ」 アシュリーの腰が跳ねる。弾みで口から外れた途端、白く熱いものがほとばしった。 「あんっ」 ララーナは口元や頬にその雫を受けた。しかし、脈動をやめないものを口に含み、震えな がら出てくるものを全部受けて、最後に残りまで吸い出すように唇に力を入れる。 「んぅ…」 「う、うう…」 アシュリーは、呆然としていた。ララーナは脱ぎ捨てたエプロンでを顔をぬぐい、口の中のものをのどに押し込む。熱さを失わない濃いものが、ゆっくりと、のどの中を落ちてゆく。 「ララーナ…」 「まだ、コレで終わったわけではありません」 ララーナにもう怖いものなどなかった。メイド服の胸のボタンを全部あけ、見えないように下着を脱ぐ、手に持つと、それは彼女の潤みを吸い込んでしっとりと重い。 いままで胸を預けていた当たりに、ララーナはそそと腰を下ろす。さすがに、スカートの中身に何もつけていないのを見せるのはためらわれた。 「あの、アシュリー様…」 「何? ララーナ」 「こんなことを初めて、私をふしだらな女と思わないで下さいましね。 これも、ララーナに与えられた大切なお仕事なのです」 「し、仕事…?」 「はい、アシュリー様に女の扱いを教えるという…とても光栄な…」 いいながら、ララーナは、アシュリーの腕を取り、服の袷の中に押し込んだ。しっとりと汗ばんで、吸い付くような乳房に、アシュリーの指が震えながらくいこむ。 「うぅんっ」 ララーナが鼻を鳴らす。目じりに涙を浮かべたような潤んだ瞳が上目づかいにアシュリーをみる。 「お仕事であっても…いつかお優しく言葉をかけて下さった折からの私の思いの丈を…お知らせできるなんて…」 アシュリーは、正気を取り戻したような顔をした。ララーナは、しんみりと興奮の波が引いて行きそうになるのを、彼の手を自分の手で押さえることで引きとどめて 「一度男に捨てられた体でよければ、アシュリー様のお手伝いを… 私が、教えて差し上げたくて」 服の合わせを開いて、桜色の乳房をのぞかせた。 「先程と同じですわ、これの先を」 アシュリーの指をララーナは自分の乳首に触れさせる。たどたどしく、とがった乳首をなでられて、ララーナの体に電撃が走る。 「!」 「驚かないでくださいまし…こうなってしまうものなのです…」 ララーナが先を促す。アシュリーは、両の乳房をわしづかみにした。指で乳首を捏ねるようにしながら、次には、誘われるようにその先を口に含んだ。 「くぅっ、あ、アシュリー様…」 「さっきお前もこうしただろう」 吸いながら、あるいは舌をはわせながら、アシュリーが淡々という。ララーナは、スカートの下で挟み込むようにしたアシュリーの一物が、またゆっくりと力を取り戻すのを感じた。 「ああ、アシュリーさま…また…」 スカートの下に手を差し伸べ、またゆっくりと手で握る。じゅく、と、自分のひだのうちから、潤いが滴るような感覚がした。 「んっ」 「どうした」 眉を寄せてすくんだララーナを、アシュリーが見る。その視線すら愛撫と同じように、ララー ナをうちから煽る。足を開き、にじるようにして、ララーナは、自分のひだにアシュリーを押し当てた。 「うわわ」 アシュリーが慌てて、ララーナの腰を見る。ララーナは、そこで腰を上げ、スカートをたくしあげた。彼の目には、潤いに濡れ縮れたナナーナの体毛と、ぬらりとしたものが這う自分の物が見えるわけだ。 「これからですわ、アシュリーさま… すてきなことを私が教えて差し上げたご褒美を、私にもくださいまし…」 見えるようにしたまま、ララーナの腰がすっと落ちる。アシュリーは、熱く滑らかなものに全体を押し詰まれ、 「うあ」 と情けなく声をあげる。ララーナも、数週間ぶりの男の味を、奥まで味わった。 「ああ、…あふぅ」 「ら、ララーナ、何だ、これ」 「余計なことは今は…」 彼女は、アシュリーの言葉を塞ぐようにくちづけし、ゆっくりと、腰を使った。手を絡ませ、ちょうど、馬に乗るような感じである。 「あ、あ…うぅ」 声をあげたのはララーナではない。アシュリーは、ララーナの緩急取り混ぜた下の唇のあしらいに、我を忘れかけている。 そのララーナが、アシュリーから手を放した。 「アシュリーは、こういう時は、されるままというのは不調法というものですわよ」 と言いつつ、あらわな胸に手を導く。 「回すように、ゆっくりと…」 そうすると、ララーナの腰の動きと合わせて、微妙な回転になり、ララーナも思わず 「あは…ぁん…」 と声をあげた。 「アシュリー様…なんてすてき…」 うっとりと、視線を絡める。ララーナは、その次に、腰の使い方を指示すると、自らの回転の他に、下からの律動が加わる。 「ああっ、はっ…くぅぅっ」 ララーナの声も高くなる。もう、コレがある種の作法指南であることも忘れたふうに、ララーナは髪を乱しながら、背を反らせ、声をあげた。 「アシュリー様…」 「な、何?」 ララーナが、くらりとアシュリーの胸にもたれた 「おかわいそうな方です… 私がこう、お仕事とはいえお情けもかけてもらえたというのに…望まないご結婚を…」 「…」 アシュリーが、怪訝な顔をした。 「仕方ない、それがラーグの家にうまれた勤めだ」 「…」 ララーナは、今までためていたな涙を、つうと落とした。 「…」 そのまま、身をちぢこませてしまう。この一時に彼女から聞いた自分への思いのあれこれ、きっと口から出任せでもあるまい。それに、傷心でありながら自分に奉仕するララーナのなんていじましいことか。 アシュリーは、何か決心したように、腰の上のララーナを一回、突き上げた。 「あんっ」 ララーナの声に艶が戻る。 「そんなことは気にするな、まだ全部教わってないんだ、続きをしてくれ」 「は、はい…」 興奮で顔をまっ赤にして、ララーナの手は、今度は二人の繋ぎ目の当たりにアシュリーの指を導いた。 「あ、あの…この中に」 ララーナの指が、体毛とひだをそっとわける。アシュリーには、その影の中は良く見えなかった。 「ララーナが乱れてしまうものが、あるのです… どうぞ…」 「ん?」 示された中に、アシュリーが指の先をうずめる。硬いものが触れた。 「ふああんっ」 途端、ララーナの体がびくびくっと震え、繋がる下のヒダが、ぎゅうっとアシュリーをくい締めた。ララーナは唇をかくかくと震わせて 「もっと…もっとそこを…」 と訴えてくる。 「こう?」 硬いものを、指の腹で撫でる。ララーナがせっぱ詰まったように浅く早くあえいだ。動きの止まったララーナを、アシュリーは勝手を覚えたように下から突き込む。 「ん、ん、んううっ」 「う、わっ」 ララーナの締めつけが強くなり、動くアシュリーも、一気に高みに誘われる。 「そうか、俺のこいつみたいに、アレがお前の弱点か」 「は、はいっ ララーナは、ここで、イってしまうのですぅっ」 「ララーナ、その、イくっていうのを、俺のまえでやってみろ」 「は、は、はいいっ」 背を支えられず、倒れ込んだララーナを仰向けに返し、足を一杯に広げて、アシュリーは強く抽送を始める。自由に動くようになった腰が、アシュリーをララーナの奥まで届け、ララーナは背中をそらせてそれを受けた。その片手は、ララーナの敏感な突起に添えられて、体の動きに合わせて刺激されるようにする。 「あ、ああ…」 ララーナは、その感懐を伝える言葉もない。敏感な突起を擦られるたびにアシュリーを締めつける。それが段々と強く早くなってくる。吸い込まれるようなその動きに、アシュリーは気を抜く余裕もない。 「あ、アシュリーさま、ララーナは…イ…」 自分が絶頂に近いことを伝えようとしたが、間に合わなかったらしい。 「ぐぅっ…」 アシュリーの二度目の熱い放出を、下の口いっぱいに受け止めながら、ララーナの声も感極まる。 「い…あ、イ…ああ…ああー…ん…っ」 アシュリーが体を離して、やっとまじまじと観察する。今まで自分が押し込まれていたと思しき場所からは、ぴくぴくと潤いがしたたり、メイド服のペチコートに染みてゆく。ララーナはしばらく陶然として、起き上がるどころか、声をあげることも出来なかった。 「なに、ドレン家との婚姻は取り消しにしてほしい?」 数日後、アシュリーが父伯爵に、婚姻の破棄を申し出たのは、あるいは自然の成り行きかもしれなかった。身を投げ出して自分の男を目覚めさせたララーナを、アシュリーはそれとして新たな婚姻を結ぶことなどできないと言い出したのである。 ララーナは伯爵の執務室で、押し問答をする親子を見て、わからないように肩をすくめた。 この親子げんかは、当分は続きそうだ。 |